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女性にも男性にも更年期はある。お互いを知ることで変わること。

東洋医学では女性は7の倍数、男性は8の倍数に変化する。老化が始まるのは、女性は35歳から、男性は40歳から徐々に精力が衰えるといわれています。

そのもう少し後に、更年期という時期に入ってホルモンのバランスが変化し、それまで感じたことのない体調になるのは、男女ともに起こります。

ホルモンバランスの変化

ホルモンバランスの変化
女性のものだと思われていた更年期障害。

近年、男性でも年齢でホルモンバランスの変化によって更年期と呼ばれる状態があることが注目されています。


女性ホルモンは、コレステロール値を下げたり、骨粗しょう症を防ぐ作用。
男性ホルモンは、糖尿病・肥満・がんの防止に関わります。


ホルモンを精力という視点でいうと、漢方では「先天の精」という生まれつきの精力です。
これは使いきりなので、年齢とともに消費していって増えることはありません。これが老化です。

ホルモンの減退・老化がどんなあらわれ方をするかは人それぞれですが、ある程度の年齢になってくると白髪が増えたり、
性欲が減退したり、耳が遠くなったり、目が見えづらくなったりしてくるのです。

そうなっていく前に50代前後にホルモンバランスの変化により、体調や感情の起伏が起こるのが更年期です。

ホルモンは何をしてくれている?

代表的な更年期の症状です。

ホルモンバランスの崩れが原因ですが、
体温や感情をコントロールするところにも関わってくるような自律神経の乱れたときの症状と似ているところもあります。


【女性】顔がほてる・肩こり・汗をかく・手足が冷える・イライラしやすい・ぼーっとする・頭痛・生理が止まる・眠りが浅い・動悸

【男性】笑わない・もの悲しい・怒りっぽい・楽しみがない・うたたねする・処理能力の低下・持久力の低下・腹周りが太ってきた・性欲の減退

感情の起伏や、食欲、性欲の変化は男女ともに共通することです。

女性のエストロゲン

女性ホルモンの代表は、エストロゲン。
女性らしい体を作ったり、妊娠できるように妊娠の準備をしたり、さらには自律神経に関わって感情をコントロールすることもしています。
年齢によってこの分泌が減少することが更年期の一つの要因です。

それに加えて、仕事や家庭といった環境的要因・心理的要因が影響して、心身ともに様々な症状があらわれます。

40代に近づくにつれて、卵巣の機能の低下や排卵が減少し、50歳でほぼ無くなって閉経となります。

男性のテストステロン

男性ホルモンで代表されるのは「テストステロン」です。
ピークは20代~30代で、その後も極端には減少することはないのは、女性のホルモンバランスの変化と似て非になるところです。

ただし、対人関係のストレス、仕事など社会的要因、家庭環境で一気に減少することがあります。

男性は遡れば、狩猟で獲物を狙っていました。
成果を上げて感謝されたり、人に認められたりすることと、テストステロンの分泌に関係があり、回復することがわかっています。
社会的なホルモンなのです。




イライラが止まらない!?

程度の差があれど、女性のほとんどが更年期障害という壁に直面します。
更年期は、初経から35年とか、閉経前後の10年くらいとか、閉経はおよそ50歳など、いわれています。


イライラしがちになったり、暑くもないのに汗が止まらなかったり、眠りが浅くて夜中に起きたり、白髪が気になったり、
いままでと違う自分に戸惑うこともあります。
健康診断で、コレステロール値が上昇する方もいます。

症状が出る40~50代というのは、子育てや親の介護の節目であったり、仕事や趣味など社会的活動が変化する時期と重なります。
最近は在宅ワークによって、夫が自宅にいる環境でストレス過多、という方も増えているでしょう。


ある実験で、女性ホルモンがストレスから守っているかもしれないことが分かりました。
となると、更年期で女性ホルモンが減少するとストレスを受け流す力が弱くなっていくことになります。
ストレスがイライラとなり、体の中に溜まっていき、眠りに影響が出たり、家族に当たってしまったりするのは、納得できますすね。

頑張り屋はなりやすい

例えば、こうしたタイプの方は更年期になりやすいと言われています。ひとつの目安として、チェックしてみましょう。

✓寝起き悪い人
✓血圧低めの人
✓生理不順、生理痛が激しい人
✓頭痛持ち
✓完璧主義
✓予定を詰め込み過ぎる
✓頑張りすぎてしまう

体は長年の蓄積です。
特に生理に関する症状は、生殖器系に関する体の根本に関わる話です。若いうちから
20~30代のうちから養生して心身ともに整えることをして、自分自身をケアできるようにしていけるのが理想ですね。


認められ、褒められたい!

男性の更年期が注目されて始めたのは、最近のことのように思えますが、第二次世界大戦前後から指摘はされてきました。

そのあとの高度経済成長期には勢いに乗って進むしかなく、
特に家父長制や競争が根付いている社会で、男性は走り続けることを求められるので、立ち止まることがありませんでした。


男性は全員が更年期になるとは限りません。
更年期だと気づかない程度の症状かもしれません。

調査では、40代男性の約5人に1人に症状があらわれています。


また、女性に比べて、ホルモンの変化が健康に与える影響の意識が男性の方が低いことがわかっています。

男女ともに年齢が上がっていくにつれ認知されていますが、
女性が20代から半数以上認識しているのに対し、男性は40代になってから半数を超えるという結果になっています。

出典:更年期症状・障害に関する意識調査




コロナ禍で増えた?

定年後の男性が更年期障害になるケースが多くあります。
生活の変化、社会との関わりが減ることで、男性ホルモンが減少し、症状が現れます。

つまり、男性ホルモン「テストステロン」が社会的なホルモンといわれるのはその為で、
年齢にかかわらず、社会的な役割をもってこそ、男性ホルモンがキープされるのです。


コロナ禍で仕事と生活環境が大きく変わり、社会との関わりが減った時期がありますよね。

はじめは精神的なうつ病だと思ったことが、ホルモンバランスのせいだったというケースもあり、問い合わせが増えた医院が多いようです。

男性のそもそもの性質

仕事や趣味のコミュニティをもつこと。
男性は遡れば、狩猟で獲物を狙ってた本能を持っていて、成果を上げたり、人に認められたい欲が強いです。そうすることでテストステロンが回復することも分かっています。

例えば、リーダーとしてチームを動かし、社会のために働き、成果を出し、地位を得ること。
何かを作って、周囲へ発表すること。

ところが、年齢によって立場が変わったり、コロナ禍のようにどうにもできない環境の変化があると、そうした社会的な達成を得にくい状況に直面します。


定年後に趣味やご近所などの人づきあいがある人とない人とでは、テストステロンの減少に差があることが分かっており、
生活習慣や加齢よりも、社会的活動が男性には不可欠であることが分かります。


ただし、テストステロンは攻撃的になる側面もあります。
自己中心的になり、周りの声が聞こえなくなったり、罵倒するようなことがあれば、注意してください。




男女ともに共通すること

男性は女性のエストロゲンを、女性は男性のテストステロンを、少量ですが持っています。

男性のテストステロンの量が多い人ほど、実直で、社会性が高く、貢献度も高いという実験があります。

出典:男性の健康左右するテストステロン 仕事力にも影響




共通してできることは、筋肉量を増やすこと。
肉体を鍛えることは見た目が変わるだけでなく、精神的にポジティブな効果があることが分かっています。

自信がつき、自己肯定感が上がり、少しのことは受け流せるような安定した状態を保てるようになります。


おまけに、幸せホルモンとして知られる「セロトニン」が分泌されることがわかっています。これは男性だけでなく、女性もです。

運動や筋トレの習慣をつけるのは億劫かもしれませんが、姿勢がよくなったり、意欲が増したり、
ストレスに強くなれる実感を得られそうですよね。


漢方でできることは?

腎は精を司るので、精気の減退には「補腎薬」を用います。
先のとおり、加齢による精気の減退は自然なことである、前提です。


補腎薬として有名なのは、六味丸や、それがベースになっている処方。

これを飲めば、回復するかというと、明確な結果は得られないと思った方が無難です。


精力をつければいいのか、と考えるとスッポンなど思い浮かべる方もいると思います。

漢方がそれ以上にわかりやすい効果を発揮するかという話になってくるので、
より体全体を診立てて、その年齢らしい全身の巡りを整えるアプローチをとっていくことになります。

感情の高ぶりや落ち込みが激しくなく、穏やかに自分でコントロールできる状態へ戻します。


女性は特に、生理の状態と切っても切り離せないので、気血の巡りを重視しつつ、
イライラやほてりの症状を落ち着くようにしていきます。

男性の場合は、怒りっぽいのは「肝の高ぶり」と考えるので高ぶりを抑える処方を。
落ち込む方には、これ以上落ち込まないようにしながら気を上げていくような処方を選んでいきます。

体はひとつだと考えるのが漢方の特徴なので、眠りや食欲などの改善も期待できます。

すれ違わないために

現代では共働きが7割という調査もあります。
2人で仕事と家庭で数十年走ってきたのなら、それぞれが立ち止まってその後の人生について考えてみる時間を取る機会かもしれません。

前提としては、夫婦でいる場合はお互いに「そういうことがある」と認識しているだけで、
感情や居心地が変わるのではないでしょうか。


特に男性の定年後は、社会の輪から外れて、趣味もなく、コミュニケーション不足に陥る方が多いといわれます。
家庭の外に趣味やジムなど、コミュニケーションの場所を持つことで心が安定させることをおすすめします。


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