健康お役立ち情報 INFORMATION

動悸や気つけと自律神経の関係

動悸・息切れ・気つけにはそれぞれ違いがあります。長期的に継続する、平常な時との差が大きい場合には、重大な疾患が隠れていることがあるため検査が必要です。

ただし、漢方的にいうと「心」と「肺」が深く関わっている事に違いはありません。漢方が得意とする自律神経の視点からみてみましょう。

いつもと違う鼓動の原因は?

心臓のはたらきの低下による症状は、拍動の違和感や痛みとしてあらわれます。
不調のあらわれ方は、拍動がバクバクと強く速く打たれるばかりではありません。

同時に、ふらつき、めまい、胸の痛み、冷や汗、吐き気・嘔吐感、失神という症状があるなら、早めに専門家へ受診されることをおすすめします。

動悸

心臓のはたらきが低下すると、十分な血液を送れません。
それは拍動数を増やすことで補おうとするせいで起きる「動悸」です。

◆心臓の拍動を強く感じる
◆心臓の拍動を速く感じる
◆脈拍が乱れる


一過性の症状であることがほどんどで、過性で軽度な症状であり病気の兆候ではないことが多いです。

◆1拍が強く感じるなら、症状は強く精神的なことが原因となっているかも。

◆急に早くなったり遅くなったりする不整脈なら、
心臓の状態が原因になっている可能性が高いので早急な治療が必要。


心臓のはたらきが低下してしまう原因として考えらるのは、

○不安やストレスから起きる精神的要因
○睡眠不足や過労
○貧血や、更年期に起こるホルモンバランスの乱れ
○自律神経の乱れ



階段の昇降、平らな場所を歩くなど軽い運動でも感じるような場合には心臓のはたらきの低下をいえます。

女性の更年期ごろからの症状は、検査では異常がないことが多いです。
胸に不快感があったり、就寝前後や天気の変化で拍動が変わる、長時間同じ体制でいるとどきどきしてくるなどの症状が見られます。


ストレスや睡眠不足が原因であれば生活習慣の改善で回復していきますが、
心臓の機能が弱った重度の心不全、甲状腺ホルモンが過剰に出てしまうバセドウ病、呼吸不全、感染症などが要因で脈が速い方はそれぞれに合った治療が必要になります。

息切れ

心臓のはたらきが低下すると全身に十分な血液だけでなく、一緒に送られる酸素を送り出せなくなってしまいます。呼吸を活発にすることによって、酸素不足を補おうとして息切れが起きます。

◆からだを少しでも動くと息切れする
◆吸って吐くことがしずらい
◆咳や痰が絡む
◆ヒューヒュー、ゼーゼーと耳障りな呼吸音
◆胸の痛み
◆少し動いただけハアハアと息が切れる
◆階段や坂道や家事で息切れする


原因としては、

○メンタルの不調、ストレス、過労、睡眠不足
○貧血やホルモンバランスの乱れ
○カフェインやアルコールの過剰摂取
○不規則な生活習慣
○運動不足

同時に高血圧やむくみが出る方も多いです。


酸素を十分に送ることができていないと、頭がぼーっとしてきます。
集中力・やる気・判断力が鈍いということもあります。

息切れの以外に、冷や汗や吐き気がでてくることがあれば自律神経の失調や、重大な疾患が隠れているかもしれません。

気つけ

言葉の定義として「気絶したものを生き返らす」「疲れて元気がない者の気持ちを引き立てる」とあります。

脳の貧血状態や疲れて元気のない状態に対して、
気力を回復させたり、頭のはたらきをはっきり目覚めさせることです。

◆一時的なめまい、立ちくらみ
◆長時間の移動でぼーっとする
◆電車や人ごみで立ちくらみ

心臓のはたらきが低下して一時的にめまいや立ちくらみなどの症状を引き起こした場合に、
意識をはっきりさせたり活力を回復させたりするには、香りを使うこともあります。

医学的には心不全やショック状態において、
心機能の低下や血行動態不全による循環血液量の減少と、脳への酸素供給や栄養分の補給が低下が原因で、
気が遠くなったり、意識が低下するのを薬などにより改善させることを意味します。



自律神経が乱れたとき

自律神経は交感神経・副交感神経の2つが、入れ替わりながら引き合いをしてバランスをとっていることで成立しています。

ところが、小さく積み重なったストレスや、大きなショック、気温や睡眠の状態の変化などの影響でさまざまな不調に繋がりやすいです。


始まりは疲れやすさや気分の落ち込みでも、
睡眠障害や呼吸の浅さ、集中力が欠ける、頭痛や関節痛、外に出るのが億劫になる、呼吸が浅い、人との交流を避けるようになるなど、他種多様な症状があらわれます。

呼吸・鼓動の変化

動悸、気つけのように、呼吸が深くできない、拍動が激しい、のどにボールのようなものがある、気道が詰まっている感じなどの症状が起こり得ます。

呼吸という意味では、単純に姿勢の悪さも指摘されます。
猫背になると肺が縮こまり、呼吸が浅くなり、空気が体に十分入らず、
酸素と二酸化炭素を換気する効率が悪くなり、代謝が落ち、
各臓器が圧迫されることではたらきが低下し、疲れやすくなったりしてしまう。

そしてに関係があります。
肺は、思い悩んだり、もの悲しい感情と結びつきがあります。


肺が充分に機能できていないと、不安やストレスを感じやすくなっているかもしれません。
どんどん深みにはまってしまうと、身体が息苦しさやめまい、呼吸困難、パニック障害などに発展していってしまう恐れがあります。
疲れとストレスはたまらない内に解消すること。深く呼吸をして胸を開き、脇・鎖骨・みぞおちをほぐしてみてください。それだけで気の通りがよくなりますよ。

気つけ薬

漢方では、意識・脳・精神はまとめて心(神)と考えられます。
香りは脳に届くことが研究されているように、英語ではSmelling saltsなどと呼ばれ、smell=嗅ぐ香りの効果を示しています。
アロマのように「香りも効能のひとつ」と教えられるのです。

気付けの薬は日本古来から作られてる処方がいくつかあり、現代に残る薬もあります。
強壮剤として胃腸薬を組み合わせられていたり、いまでは貴重な動物生薬が使われて気の巡りを整える薬草で主に作られてきました。

拍動や呼吸が整わないこと以外にも、緊張感、鬱々、イライラなど感情が関わる症状、胃腸が痛い、食欲がない、寝つき・寝起きなどのお悩みが気つけの薬で改善していくことがあります。

草漢堂では、江戸時代から作り続けられている気付け薬を組み合わせて服用することをおすすめしています。


いますぐ自分のためにできること

緊張すると体は縮こまります。可動域が狭まり、体の力が抜けている時より息苦しくなりがちです。
息苦しさを感じたときは、楽になれる姿勢をとりましょう。

息苦しくなったときにあわてないように、普段の生活の中で、自分にとって楽な姿勢を見つけておくこと。楽になる呼吸法を行うと、息切れを軽減できることもあります。

○ひじをつき、姿勢を安定させる
○腕を高くあげなすぎない
○枕やクッションなどを利用して、頭を上げ、ひざを曲げられる姿勢をとる
○横になり、苦しくない向きで姿勢を安定させる

もし症状が出たときにあせらないように。

習慣になっているなら見直す

一時的に対処できても、通院で治療するようになっても、きちんと治していくなら一番根本的には日ごろの生活習慣を見直すことも大切です。なぜなら、体には長年のクセがついているからです。

○十分な睡眠を取る
○疲労をためないように心掛ける
○ストレスを上手に発散する
○激しい運動は控える
○カフェインを摂りすぎない
○アルコールを控える
○たばこを控える

特別なことはありません。
どれか当てはまるなら早めに、より悪化しないようにするには見直していきましょう。



漢方の心と肺

動悸、息切れ、気つけに特に特に関係がある臓腑は「心」「肺」です。

全身はつながって連動していると捉えるので、それぞれが協力し合って役割を担い、
不調があらわれるときにはカバーしあうのですが、逆にエネルギーをとられてしまうこともあります。

それぞれが「必要な量」はたらいてくれるように養生しましょう。

呼吸を主る「肺」

「肺」は呼吸を主り、乾燥を嫌い、思い悩む感情とつながる臓器です。

吸って、吐く、という動作によって、外からきれいな清気をとりこみ、体の中の濁気を吐き出します。
それによって体の中の昇降し、内外の入れ換えをします。

気、血、水すべてがこの呼吸のリズムにのって循環するため、
呼吸のペースや深さは重要です。

吸うより「吐く」ことが大切だといわれているように、
十分に酸素や気や血が巡り、呼吸・拍動を荒くしないためにも、
しっかり吐くというのは意識してもいいでしょう。

血脈を主る「心」

心臓の心。
「心」は精神であり、心であり、意思を主るとされます。
また、拍動により血脈(血流)を生み出します。

開放的になりやすい夏の時期に特によくはたらき、元気であれば、明るく過ごすことができます。

逆に、弱ると気力が落ちてしまい、気持ちが不安定になったり、貧血のように顔色が悪くなって体が思うように動かなくなってしまったりします。

「中庸」という、ちょうどいいところに調整するために、
興奮していしまっているのであれば、黄連や柴胡を使って鎮め、
気が足りていないのであれば、小麦など補気の生薬を用います。


対処は早めに

心臓や呼吸のトラブルは、不安が大きい症状でしょう。

生活環境やストレスが原因でありそうなら、漢方薬の対象が広いです。
年齢や環境に問わず、アレルギー体質や、いわゆる繊細な方は知らぬ間に呼吸が浅くなっていることがあります。

年齢による弱りが原因そうなら、
アンチエイジングな処方でまずは体をしっかりさせていくことができます。

日々の養生からにはじまり、古来からの動悸、息切れ、気つけの薬もお試しください。


୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

【草漢堂グループ】愛知県内に4店舗ある漢方薬局。
「体の元から健康に」をモットーに漢方の良さ、自然の力をたくさんの方に知ってもらいたい、体感してもらいたい。
お客様一人ひとりの体質やその時の季節に合わせたあなただけのオリジナルを実感してください。
草漢堂グループHP