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【PMS】漢方?ピル?職場の協力?心身振り回されずに過ごしたい!

生理より言葉の表現がしづらいPMS。社会においてタブー視のようにされていた、生理の話がオープンになってきて、自分一人で抱えるより共有していこうという雰囲気が強まっています。

自分で対応すべきところと、人への伝え方を考えていきましょう。

生理痛ではない。PMSとは?

生理痛ではない。PMSとは?
月経前症候群のこと。身体および精神症状が、生理の3〜10日前頃に出始めます。

通常は生理開始から数時間後に治まり、生理痛とは区別されます。
イライラ、不安感、気分の浮き沈み、むくみ、頭痛、乳房の痛みや張りなどの症状がよく上げられます。

さらに、感情が暴力化したり、激しい絶望感に襲われる場合はPMDD月経前不快気分障害という診断になります。


原因の一つとして、マグネシウムやカルシウムの欠乏の可能性が指摘されていますが、
西洋医学ではその症状の原因ははっきりとわかっていません。

分かっているのは、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの変動によって起きることです。

生理の一連のことは、ホルモンが正常に動いているから起きているのです。

女性の身体を担う2つのはたらき

エストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンがあります。

この2つが正常に動いているリズムで、月経があり、卵巣や脳が機能して女性の身体特有の状態を作りだしているのです。

エストロゲン

エストロゲンは、女性らしい体をつくります。子宮内膜を厚くし、妊娠の準備に重要な役割を果たします。
そして、自律神経のバランスを整えたり、感情を調節したりするなどの働きがあります。

エストロゲンの分泌量が増えてピークになることで、排卵が起こります。

エストロゲンの分泌量が減ることで、通称“幸せホルモン”と呼ばれる神経伝達物質・セロトニンの分泌が減少していくことがわかっています。
セロトニンは、精神を安定させる働きをするため、減少すると、イライラや不安など、感情や精神的影響がおきます。

プロゲステロン

プロゲステロンは、妊娠を維持しやすくするホルモンです。体温を上昇させ、生理前の眠気の原因にもなります。


エストロゲンが排卵をピークに減少していくと同時に、今度はプロゲステロンが妊娠準備のため分泌されます。

プロゲステロンは妊娠に向けて、体内に水をため込む傾向があり、分泌が増えると皮膚に水がたまって体にむくみが生じます。そのむくみは、外見の変化だけでなく、さらに大腸の壁もむくみます。
そうすると便を運ぶぜんどう運動が弱まってしまい、お腹が張り、便秘などの症状が現れたりします。


エストロゲンとプロゲステロンは妊娠が成立しなければ、必要ではないため分泌量は排卵から7〜10日経ったころ減少します(黄体期後期)。
そうすると次の生理の準備期間、PMSが起きる時期に入ります。生理始まる前の3〜10日前頃ということです。


女性同士でもわかりあえるわけじゃない

生理痛とPMSはホルモンのはたらきからしても違うことをお伝えしました。
イライラ、不安、興奮、食欲の増加、怒り、不眠、集中力の低下、嗜眠、倦怠感などの症状が挙げられます。

そしてイライラしてパートナーや子供、仕事の同僚の人に当たってしまったり、作業に集中できず仕事に影響が出てしまったり女性なら一度は経験したことがあるはず。
そんな行動をしてしまった、自分に後悔し、自己嫌悪に陥ってしまう。

その悪循環がストレスとなり、症状がだんだん重くなったり、月経周期関係なくメンタルの不調が出たりします。
ということは、PMSがある人・ない人、軽い人・重い人がの差は、ホルモンの変化だけではないという見方ができるのではないでしょうか。

ストレスや、日常の環境、その人のもともと持っている性格という要素も含まれている症状かもしれません。


同じ女性同士であっても症状も、程度も違います。共感できる部分とできない部分があります。

PMSや生理痛がほとんどない人もいれば、なんとなくやり過ごせる人、鎮痛剤や低用量ピルを飲まないと我慢ができない人までいます。

それに「我慢すればすぎるから」とか、あまり辛さを口に出さない人もいます。
表現しづらく、特に男性相手だと説明が難しいと感じてしまう。

これには世間の「たかが生理で」という目線も影響しているのではないでしょうか。
ですが、それは思いこみかもしれません。

意外と多かった!周囲に共有している割合

ある調査によると、仕事の量や質を普段と比べると、35~45%が通常通り、低下すると答えたのが50~65%という結果が出ていました。
半数は普段よりもパフォーマンスが落ちているということになります。

その辛さを周囲へ伝えているかどうかの調査では、
伝えている人と伝えていない人がほぼ50%ずつ。

伝えない人の約30%は、その症状や辛さを表現しにくい・相手に分かってもらえないと回答しています。


出典:ツムラ生理・PMSの本音と理解度調査




一方で、調査の中で男女ともに半数以上が、生理やPMSについて話すことはタブーではないと回答しています。


当事者である女性同士は自然と知識や対処法が身につき、相手のことを想像して理解していくことができますが、
そもそも男性は生理がないうえに教育にすら含まれていないので知る由もありません。



男性のみなさんへ

女性と結婚していたり、パートナーがいたり、姉妹が家族にいたり、もしくは女性が周りにいない方と比べると、知識に関して差があるのではないかと思います。
上記の調査のように、PMS含め生理について話すことがタブーという雰囲気は徐々に変わりつつあります。

とはいっても、「察して」というのは限界。
それに、察してもらったところで「ほっていて」と思う女性もいるし、女性側も素直に休むかというとそうでもなかったりします。


ただし、頭の片隅に「女性にはそういうホルモンが変化する周期があり、行動や感情に影響がある」という程度に置いておくと、受け取り方が変わると思います。

考え方としては、風邪と同じ感覚。要は「調子が悪い」のです。
「PMSや生理だから」ということを前提に、「そういうこともあるんだ」と理解して、思いやりがあればいいと思います。


さらに言えば、女性が過ごしやすい・休みやすい環境作りがあれば完璧です。
PMS期から生活や仕事のパフォーマンスに影響がある方は少なくありません。

仕事において、あなたが「めんどうだな」と思うことは、女性にとっても嫌だ、と感じることです。
たとえば長時間の会議や、休憩のタイミング、夜の食事会などを考慮するだけでも変わっていきます。

正しく知ることで、つらそうな人がいたら気づいて気遣うことができるし、自分のことを大事にしようという意識を持てるようにもなります。

すると当然、チームや会社としてもプラスになる。だから個人だけではなく、企業や社会の単位でPMSや女性の体について理解を深めていただけたらと思います。



女性としての伝え方

「生理前だからイライラしちゃうかも、ごめんね」「PMSのせいですごく眠たい」というような一言を伝えるだけで
「あ、そうなんだね」と済みます。

「それってどういう症状か教えてくれる?」と聞かれてから細かく話せばいいのです。
そのときに「そんな程度で・・・」と言われても、あなたのせいではありません。


特に職場で生理の話をしづらいと感じる方は多いのではないでしょうか。

男性と同様に働きたいと思っていても、どうしてもPMSや生理は避けられません。
それは、社会人として自分のことを周囲に共有していくというコミュニケーションを求められる場面だと思います。
伝えたらセクハラに発展してしまう懸念をもつ方もいるかもしれませが、間違ったことをしているのがどちらかは明らかですよね。

自分の体調のサイクルを把握していれば、「このあたりは生理前だから大きなプレゼンは避けた方がいい」など、仕事を調整できるようになります。
相したら特に女性同士であればそっとフォローしあえるのではないでしょうか。

女性の社会進出に合わせて1947年にはすでに生理休暇が労働基準法でも認められています。
企業によって対応は異なりますが、必要であれば取得してしまいましょう。



少しでも快適に過ごすために

低用量ピルと漢方薬
西洋医学と東洋医学。

アプローチの異なる2種類を、それぞれ症状と目的に合わせてしてみましょう。

漢方薬

漢方薬は、体質から変えていくことが得意です。


PMSや生理痛などが起きている原因は、「瘀血」という状態のことが多いです。
血の流れがどこかで滞っていて、その詰まりが痛みになったり、
巡らないゆえに心の安定性が崩れています。

又は、「血虚」という血が足りていない状態のこともあります。
生理は血をたくさん使うので十分にあれば必要量を使って流れていくのですが、少ないと思うように行き渡らないという状態です。

他にも要因はあり、そうなってしまっている根本へアプローチしていきます。
そのため同時に、精神症状にもはたらきかけることができます。

よって、即効性に欠けるときもありますが、処方がはまり、効いてきた時の力は抜群です。
低用量ピルと漢方薬と併用可能です。

低用量ピル

低用量ピルは、プロゲステロンとエストロゲンという女性ホルモンが含まれている薬のことです。

排卵をとめて、子宮内膜の増殖を抑制します。

子宮内膜が厚くならないため、生理期に子宮内膜が剥がれるときに起こる子宮収縮の痛みや、出血を抑える効果が期待できます。
ホルモンの分泌が一定に保たれることから、生理不順やPMSの改善が期待できるというものです。


ピルの種類は、用量も保険適用の有無もさまざまです。

現状日本では月経不順や避妊目的で服用する際は、保険適用外になります。
保険適用にするには、月経困難症や子宮内膜症の治療を目的とし、
診察などの結果で医師が処方する場合は保険適用内です。

不妊症や経口避妊薬は保険適用にしていく動きがあるので、徐々に変化があるかもしれませんね。



食事で改善

食生活で改善する情報はあふれかえっています。

情報を見極めながら、自分に必要なものを慎重に選び取ってくださいね。

なんで甘いものが欲しくなるの?

生理前は血糖値を下げるホルモン・インスリンの効果が低下して血糖値が上がります

そのため、血糖値を下げるために普段より多量のインスリンが必要になり、食事から2〜3時間後に低血糖を生じやすくなります。
それにより、甘いものが食べたくなるなどの症状が出ることがあります。


ただ、血糖値の急上昇はPMS症状の誘因となるため、あまり好ましくありません。
欲するものを我慢することはストレスですが、健康を考えると、玄米など低GI値の食品を意識して摂るようにしましょう。

血糖値を上げないためには、野菜から食べて、よく嚙んで、時間をかけて食事をすることです。

月経には豆乳といわれるのはなぜ?

大豆に含まれるイソブラボンが、エストロゲンによく似た構造を持つ「エクオール」という物質作り出すからです。


「エクオール」と作り出すための腸内細菌が必要で、これを持っている人は97%いることがわかっています。

ですが、その腸内細菌が活動的でなければ「エクオール」は産生できません。
残念ながら、欧米寄りの食生活や喫煙、飲酒によって、約半数の人しか作用していないことが分かっています。
つまり欧米ではもっと確率が下がって、更年期など婦人科系トラブルが多いようです。


日ごろから大豆、豆腐、味噌など大豆製品を摂っている人や、
食物繊維や魚類をよく食べている人の方が「エクオール」を産生できる体であることが分かっています。

出典:2018年日本女性医学学会




これからの社会に

女性、一生のうちで何度も体の状態が大きく変わる時期がきます。そのときに体と心の状態に振り回されないように、快適に過ごせるよう、20~30代のうちに芽を摘んでおくことが大切です。

近年、フェムテックや性教育の話題がメディアで取り上げられるようになり、徐々に社会のPMSや生理に対する目線が変わってきているのではないでしょうか。
自分で対処できることと、周囲に理解を求めることなど、やる事は多いですが、過ごしやすい社会の環境になっていくことを期待します。